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トイプードル 指間炎の原因と対策
執筆者:ナルセノゾミ先生
動物看護士、愛玩動物飼養管理士
どの犬種でもなる可能性のある指間炎ですが、足の裏にも毛が生えているトイプードルは、指間炎になりやすい傾向があります。
今回は、トイプードルに多い指間炎の原因とその対策、注意したい点について解説します。
それ、指間炎かも?愛犬の行動をチェック!
指間炎の症状は、「痒み」「痛み」「腫れ」「赤み」「出血」などがあります。
次のような仕草や行動がみられる場合は、指間炎になっているかもしれません。
・肉球を触られるのを嫌がる
・足の裏を夢中で舐める、噛む
・足を地面につけないように歩く
初期段階では、犬が足の裏の違和感を気にして、しきりに舐める様子がみられます。
放っておくと悪化し、できものや膿み、出血することもあり、強い痛みで足を地面につけることを避けるようになります。
「最近よく足の裏を気にしているな」と感じたら、早めに動物病院に連れていくことが大切です。
トイプードルの指間炎、その原因は?
犬の指間炎とは、何らかの原因によって、肉球の間(指の間)に炎症が起きている状態を指します。
指間炎の原因には「怪我」「やけど」「皮膚病」などさまざまな要因が考えられますが、トイプードルの指間炎の原因として多いものを4つご紹介します。
アレルギー症状として指間炎になる
トイプードルはアレルギー体質の子が多いです。
生まれ持っての体質のため、アレルギーそのものを治すことは難しいですが、症状をコントロールすることは可能です。
アレルギーには次の種類があります。
・環境性アレルギー(ハウスダスト、花粉など)
・食餌性アレルギー(肉、卵、小麦など)
・接触性アレルギー(ステンレス、化学繊維など)
・ノミアレルギー(ノミの唾液)
アレルギー反応を引き起こしている原因のアレルゲンを特定し、そのアレルゲンを避けて生活すれば症状は治まります。
アレルギー症状の出方や重さには個体差がありますが、皮膚のやわらかい部分に症状が出ることがほとんど。
足先や指間など、犬にとって舐めやすい部分に症状が出ると、舐めたり噛んだりすることで症状が悪化することもあります。
また、四肢すべての足の裏が指間炎になっている場合は、絨毯や床材などが原因の接触性のアレルギーが疑われます。
ストレスを感じて前足を舐め続け、指間炎になる
トイプードルは人や動物に友好的で、一緒に遊ぶことが大好きな子が多いです。
運動不足やコミュニケーション不足に陥ると、寂しさやストレスを抱えやすい性格とも言えます。
犬は、ストレスや不安を和らげるため、自分の体の一部を舐め続ける行動を取ることがあります。
唾液の湿気と温かさにより雑菌が増え、指間炎になってしまうのです。
特に、次のような環境の変化がある場合も要注意です。
・留守番が増えた
・遊ぶ時間が減った
・新しい家族が増えた
・散歩に行けていない
ストレスによる行動が指間炎の原因になることもあるため、トイプードルの性質上、適度な運動、またたっぷりとコミュニケーションを取ることを心がけたいですね。
足裏の毛が伸びて不潔になり、指間炎になる
犬の汗腺は肉球にあるため、必然的に足の裏は蒸れやすく、細菌も繁殖しやすくなります。
小さい切り傷やすり傷からばい菌が入り込み、指間炎になることがあります。
トイプードルは肉球の周りにも毛が生えており、足裏周りの定期的なカットが必要です。
放っておくと毛が伸びて肉球を覆ってしまい、通気性も悪くなります。
毛が伸びていると飼い主さんからも肉球や指間の状態が見づらいため、清潔を保つためにもカットしておくと安心です。
トリミング後の違和感で指間炎になる
トイプードルの被毛は伸び続けるため、定期的なトリミングが必要です。
カットデザインによってはバリカンを使用することもありますよね。
足裏の毛を短くするためにバリカンを使用するトリミングサロンも多いですが、接触する金属や刃が刺激となり、指間炎になることもあります。
バリカン負けが疑われる場合は、トリミングサロンに相談してみるか、全身ハサミで仕上げてくれるトリミングサロンに変更してみてもいいかもしれません。
また被毛を短く刈ると、伸びてくる毛がチクチクし、ワンちゃんが違和感を感じることがあり、気になり舐めているうちに指間炎になってしまった、というケースも。
どうせカットするなら思いきり短くしてもらいたいところですが、違和感の感じ方は個体差があります。
皮膚や刺激に弱いワンちゃんもいますので、トリミング後に指間炎になりやすい場合は、短くしすぎない程度にカットしてほしい旨をトリマーに相談してみましょう。
トイプードルの指間炎予防と注意点
指間炎になると、ワンちゃんに不快感がつきまとうだけでなく、症状がなくても、足を舐めることが癖づいてしまうことがあります。
指間炎は再発しやすく、完治までに時間がかかることも多いため、再発予防を続けることが大切です。
トイプードルの性質からみる、指間炎予防と注意点について説明します。
ストレスは大敵!適度な運動でストレス解消を
先にも述べたように、トイプードルは遊び好きの甘えん坊という性質を持っています。
ストレスから足を舐めるという行動は、「暇」「体力が余っている」ときによく見られます。
適度な運動とスキンシップを心がけ、愛犬がストレスをためないようにケアすることが大切です。
また、トイプードルは非常に賢く、飼い主さんの行動や雰囲気を察して先読みすることがあります。
「いつもと同じ」ではマンネリしてしまうこともあるため、時には頭を使う遊びや新しいオモチャを購入するなどの工夫をしてみるのもいいですね。
足裏カットはこまめに行おう
トイプードルはカットから1ヶ月ほどで、肉球全体が隠れるほど毛が伸びます。
そのため、2~3週間に1回は足裏だけでもカットすることを心がけましょう。
毛が伸びていては、指間炎の状態が観察しづらく、雑菌や汚れも付着しやすくなります。
動物病院やトリミングサロンでは、部分的なカットをリーズナブルな価格で行ってくれるところも多いため、トリミング頻度が1ヶ月以上の間隔であれば、部分カットにも通うようにしたいですね。
指間炎のためだけでなく、お散歩後の足拭きなども楽になりますよ。
室内の床をきれいに掃除しよう
犬は生活する上で4割の情報を嗅覚に頼っています。
トイプードルは好奇心旺盛な子が多いため、自分の足の裏についた臭いが気になり、舐めることが癖になることがあります。
床には、わたしたちにはわからない、食べ物のにおいや気になるにおいがたくさん漂っています。
食べカスやゴミなどが湿った肉球につくと、ワンちゃんも気になってしまいますよね。
カーペットにはしっかり掃除機をかけて、フローリングはこまめに拭き掃除をすると、部屋も綺麗になり一石二鳥です。
肉球の乾燥ケアをしよう
犬の肉球は年を取るほど固く、乾燥しやすくなります。
乾燥によるひび割れや、夏場のコンクリートでのやけどが原因で指間炎になるケースもあります。
そのため、肉球クリームなどで保湿をすることが大切。
犬の肉球には、滑り止めとしてのスパイクの役割、足への衝撃を緩和するための役割があります。
ガサガサの状態では肉球のはたらきも衰えるため、可能な限り肉球の保湿ケアもしてあげたいですね。
繰り返す、治りにくい指間炎に注意したい理由
指間炎そのものは命に関わる症状ではありませんが、「たかが指間炎」「そのうち治るだろう」と放置するのは危険です。
特に、これまで健康だったのに突然指間炎を繰り返すようになった場合や、アレルギーや怪我など、なぜ指間炎になったのか原因が思い当たらないときには注意が必要です。
繰り返す、治りにくい指間炎に注意したい理由について解説します。
免疫低下は病気のリスクが上がる
皮膚の炎症がおこるとき、皮膚のバリア機能(免疫機能)が低下していることが考えられます。
免疫低下の裏には、病気など体の不具合が考えられるため、何度も指間炎を再発したり、治療しても治りにくいといった場合には、病気が潜んでいるかもしれません。
また、年を取ると免疫機能も徐々に低下していきますから、必要に応じて食事の栄養バランスやサプリメントでの栄養補給をしてあげるといいですね。
脱毛など二次症状が引き起こされる
指間炎は肉球まわりだけでなく、犬にとっては足全体の不快感があります。
足の裏だけでなく甲の部分を気にして舐めることで、毛が細くちぎれやすくなることがあります。
毛玉や雑菌繁殖の原因にもなってしまいます。
犬の被毛には、病原菌や紫外線など、外部刺激から身を守る役割があります。
脱毛やちぎれなど、二次症状に繋がることもあるため、指間炎はなるべく早めに治してあげたいですね。
慢性化すると治りにくくなる
指間炎をはじめとした皮膚疾患は、再発を繰り返すことで慢性化しやすく、徐々に症状も重くなります。
治りも遅くなり、ちょっとした刺激にも痛みを感じやすくなってしまうことも。
犬は歩き回ることが大好きな動物ですから、慢性的に指間炎を繰り返すとそれだけストレスがかかってしまいます。
また、皮膚が薄くなったり、反対に皮膚が厚くなりゴワつきの原因になったりと、後遺的な症状が残る可能性も高くなります。
対症療法だけでなく、再発を繰り返したり、治りにくい原因を突き止めることが大切です。
トイプードルの性質を見極めた指間炎対策を
指間炎は再発しやすいことが多い皮膚炎の一つです。
患部が指の間という見えづらい部分のため、発見が遅れ指間炎が慢性化していた、というケースも珍しくありません。
指間炎の原因となっているアレルギーや皮膚病、その他病気の治療をすることはもちろんですが、トイプードルの犬種の持つ性質や愛犬の性格を見極めて、飼い主さんでも指間炎の治療を支えてあげたいですね
執筆者:ナルセノゾミ先生
動物看護士、愛玩動物飼養管理士
仙台総合ペット専門学校で、動物看護・アニマルセラピーについて学ぶ。
在学中は動物病院・ペットショップの他、動物園での実習も経験。
犬猫、小動物はもちろん、野生動物や昆虫まで、生粋の生き物オタク。
関わる動物たちを幸せにしたい、をモットーに活動しているWebライター。